1月31日は、五彩会の創立記念日です。早いもので15年目(14周年)を迎えます。そんな感慨深い日を迎えた今回の理事長通信は、創業当時の原点に思いを巡らせてみようと思います。
創立の思い
五彩会は今では保育園もありますが、当時は特別養護老人ホームからのスタートです。
なぜ老人ホームを始めるに至ったか。ご存知の通り、五彩会の母体は結婚式場のパレスいわやにあります。パレスいわやはこれまで、数多くの方の結婚式を挙げさせていただいたわけですが、主役である夫婦がいるのは、その親である方々がいるからです。ですから、我々が結婚式事業を長年続けてこれたのは、そのご両親の方々のおかげでもある。そう思った時に、今度はその人達への感謝を形にしたい。そんな思いから、これまでのお客様の両親に当たる高齢者の方々を相手にした事業として、老人ホーム事業をはじめました。
地域の方々のおかげで、パレスいわやがあり、我々が働けてこれた。その恩返しとして、さらに地域の方のためになりたいという思いから、五彩会は始まったのです。
遠慮無用
そんな五彩会の変わらぬ志としてミッション・ビジョン・スローガン・行動指針があります。それと同じくして、こんな文章がありますね。
社会の功労者である高齢者が、その第二の人生をおくるにふさわしいライフステージを考えると新しい土に移された花は、そこに根を張って再び生命力をます。見事に咲き終える花を高齢者に喩えると土は住まいであり、施設であり、地域です。私たちは、利用者の視点を出発点とし「居心地のいい良い家」、「自宅でない在宅」という基本理念に沿って、ご入居者の幸せをサポートします。
五彩会は、ご利用者様にとっての第二の家です。ここについて改めて考えていきたいのですが、家とはどんな場所でしょうか。
「遠慮をしない場所」と五彩会では捉えます。遠慮なく、モノが言い合えて、遠慮なく行動できて、遠慮ない時間が過ごせる、肩肘張らす等身大でいれる場所。喜怒哀楽を素直に表現できる場所。それが家です。
そんな家としてご利用者様に過ごしていただけるよう、我々は精進しなければなりません。ケアを受けるという時点でされる側はする側に申し訳ない気持ちを感じるものです。それが人です。ですからスタートから遠慮がある関係と言えます。そこを払拭し、ご利用者様に遠慮のない暮らしをしていただくために我々は正面から向き合わなければいけません。こちらも遠慮していては駄目ということです。こちらの緊張は伝わり相手も緊張するのと同じで、こちらの遠慮は相手に伝播します。一泊二日程度の旅行時間なら構いませんが、長く時間を共にするのですから、こちらが遠慮して接することは致命的と思ってください。
ただ注意が必要なのは、ご利用者様が遠慮をしないことがあくまでも大事です。そのためにこちらが遠慮をしないということであるので、こちらが一方的に遠慮ない対応でご利用者様の気持ちを置き去りにしてしまうことはあってはなりません。あくまでも自分ではなく、ご利用者様に遠慮させないために、という発想が大事です。
そういった意味では、怒りは遠慮ない表れとも捉えられるので、当たられた本人は辛いですし、その怒りの原因は払拭すべきなのですが、悲しむべきことではありません。むしろ良いことと捉えてください。
五彩会のホスピタリティ
サービス業ではホスピタリティという大事にする考え方があります。詳しくは調べていただきたいのですが、お客様にご満足いただけるよう、最高のサービスでおもてなしをして、最高の時間をご提供する。そのためにすべきこと全てがホスピタリティに通じます。これ、五彩会もサービス業ですが、このホスピタリティとはちょっと違います。
人生の最期まで過ごす遠慮のない家にとってのホスピタリティは、やはりお客様に遠慮をさせずに過ごしてもらう場の創造。これにつきます。遠慮させないとは、対話だけではありません。介助の仕方、食事の提供の仕方、こちらの立ち回りに至るまで、細かな部分もチリとして積もった結果、相手の遠慮は生まれます。
難しいことのように感じるかもしれませんが、実践においては実にシンプルです。自分がここで住むと想像したら嫌なことはしない、心地悪い箇所は払拭する。そうやって日々向き合っていくと自ずと遠慮ない関係は出来上がるでしょう。とは言いつつ答えは存在せず、試行錯誤の繰り返しでしか無いのですが。またここがこの仕事の醍醐味でしょう。
ご利用者様に遠慮なく過ごしてもらう。そのための日々の試行錯誤と、ご自身の仕事の仕方と向き合い続けることを、よろしくお願いいたします。
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