社会福祉法人 五彩会(パライソグループ)

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できないで終わらせない。

100歳!

大正10年生まれのS様は今年4月、100歳のお誕生日を迎えられました。

S様を一言で表すと「明朗快活」。
日本舞踊の先生をしていたこともあって身体がとても柔らかく、スタッフが驚くほど、足が高くあがります。
ユーモアがあり冗談を言って他のご利用者様やスタッフを楽しませてくださったかと思えば、ニュース番組を見るのが日課で日々の情報収集を欠かしません。

S様の印象に残っている言葉があります。
「一度きりの人生なんだから結婚なんてしてもしなくても良い。一度きりの自分の人生を楽しみなさい。」
結婚し、たくさんの子供を産むことが良しとされる時代を生きてきた世代。そんなS様の「自分の人生を楽しみなさい」という言葉は強くかっこよかったです。

お誕生日の2か月前、生活相談員の吉田さんがS様のお孫様から相談を受けました。

「おばあちゃんの100歳のお誕生日にやりたいことがあるんです。」

お孫さんはご自身でも「わたしはおばあちゃんっ子だったので」とお話されていたのですが、S様も「あの子はわたしがいないとね」とおっしゃるほど、強い結びつきがあることはスタッフも感じていました。

記念すべき100歳のお誕生日。
S様とお孫さんは前々から「一緒に100歳を祝って万歳をする」という約束をされていたそうです。

お孫さんからは、
「大それたことはしなくていいんです。どうしても一緒に万歳をしてお祝いがしたくて。」
「直接の面会ができないことはわかっています。ガラス越しでもいいのでなんとか行うことはできませんか?」
S様も孫と一緒に万歳をすると常々口にしていました。

難しいことは百も承知

今は新型コロナウイルス感染防止策として面会は中止させていただいており、ご家族様に多大なご協力をいただいています。

厳しい感染対策をしている中でどう対応すべきか悩みました。施設全体を考えれば感染リスクを絶対に高めるわけには行かない。一方でご家族様の立場で考えれば、一生に一度の100歳という特別な記念日を絶対に逃したくはない。

そして、最終的に悩んだ結果、我々の相手にするお客様に明日は約束されていない。「コロナが落ち着ていから」という考え方はできない、今できる限りのことを精一杯やりたい。そう思った吉田相談員は、無理だとは思いつつも支援課のリーダー、そして施設長に相談をしました。

すると、やれる限りのことをしたいというその想いが伝わり、特別にガラス越しでの面会の許可が出ました。

そこから支援課とご家族様で何度も話し合いを重ね、改めて徹底した感染対策をどう行うか、細かい段取りを立てシミュレーションも行いました。

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一方、ユニットでも記念すべき百寿のお祝いをどうしたら喜んでいただけるか賀澤サブリーダー主体となり考えていました。

普段から物欲を口にしないS様。以前、「何か欲しいものはありますか?」と尋ねると、「何もいらない。強いて言うなら一緒にあの世に持っていけるもの。」とお話されたことがありました。
そこで、ご家族様にとっても記念になって形に残せるものとしてとして手形をとることに。その際はS様もすすんで掌に墨を塗らせてくださりました。

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当日

そして迎えたお誕生日当日。
ショート主任、リーダー、看護師にも協力をもらい、ご家族様をガラス越しに迎える準備をしました。
「当日着せてほしいです。」とご家族様からお預かりしたお洋服を身にまとい、久しぶりにお化粧をしてマニキュアを塗ったS様。とても100歳とは思えない若々しさです。

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ご家族様はたくさんのプレゼントを持って来設されました。
お花、寄せ書き、オリジナルの横断幕、特大ケーキ。

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改めてご家族様のS様を大切に想う気持ちを強く感じました。
もともとパライソに来られる際にご家族様からS様に関する手作りの資料をお預かりしたのですが、そこには家族構成から性格、趣味、好きなもの、ケアする際のポイントまでたくさんの情報が記されており、在宅からのケアの継続という点で大変参考になりました。

ガラス越しに対面されたS様とご家族様。久しぶりに直接顔を見ることができ、みなさんとても良い表情です。
S様にはその場でプレゼントを開封していただき、その反応をリアルタイムで見ていただきながら音声は通話で繋ぎました。スタッフからは作成した手形を色紙にしてご本人様とご家族様にプレゼントさせていただきました。

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そして「100歳になったら一緒に万歳をする」というS様とお孫様の約束通り、その場にいたスタッフ含め全員で万歳三唱をさせていただくことができました。

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いつも気丈なS様が涙ぐまれていた様子を見て、スタッフも目頭が熱くなってしまいました。

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後日、ご家族様から感謝のお手紙をいただきました。

たくさんの家族に愛され、S様ご自身も家族を大切に想う。コロナ禍でも家族の絆を繋ぎ続けることができてよかったです。
そしてそんなS様の人生に関われたことをとても嬉しく思います。

 

パライソごしき・ショートステイ

 

 


 

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